本日は、観測ボットが現実世界で機能するまでのステップを説明します。ステップは以下のフローチャートのような形になります。
ステップ1:2次元の仮想空間での実装
第一のステップでは、現在開発中の観測ボットが二次元空間で、過去の気象データを用いて動作することを想定しています。このボットは、地理的に平面上に分布している気象現象(例えば雨の量)を観測し、雨量計などで観測された点状のデータ、気象レーダー等で観測された線状のデータを取得します。得られた限られた観測データを用いて、現在の気象現象を推定し、さらに未来の気象状況を予測します。その上で、観測地点を自由に移動させ、On/Offの切り替えが可能な前提で、効率的な観測地点の移動方法を学習します。
ステップ2:3次元の仮想空間での実装
次のステップでは、同様にシミュレーション上で動くボットを考えますが、今度は二次元ではなく三次元空間で動作するボットを開発します。通常、我々が日常生活で関心を持つのは、地上に降ってくる雨や地上の気温など地表の気象状況ですが、気象現象は本質的に三次元で起こります。地上からの上昇気流によって雲が生成されるなど、特に豪雨や台風などの激しい現象を早期に把握するためには、三次元空間での観測が重要です。実際、日本で利用されている気象観測装置は、地上の観測(アメダス等)だけでなく、空中の雨状況を計測できる気象レーダーや風の状況を計測できるウィンドプロファイラ等も含みます。これらは本来三次元空間での観測システムと言えます。さらに、ドローンや小型航空機による気象観測も今後増えると想定されます。
ステップ3:実験室での試験
第三のステップでは、実験室で小型の観測装置を複数設置し、観測機器を実際に制御するプログラムを実装し、気象観測ボットによる自動観測の実証を行います。観測ボットは最終的には現実の空間での気象観測を目指しますが、その前にまずは小規模な実験室での実験によって有効性を確認したいと考えています。
ステップ4:実空間での試験
最後のステップとして、現実世界での気象観測ボットの実証実験を考えています。この段階では、現実空間でアクティブな気象観測の有用性を、予測精度の向上や観測コストの削減という観点から示すことが重要となります。
機械学習と気象学、IT系の話題について興味を持っています。本ブログの記事は考えている途中のアイディアなどを気軽に発信することが目的のため、間違いを含んでいる可能性があります。記事の編集・校正などにChatGPTを使用しています。
博士(理学)、修士(情報学)、気象予報士
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